あれは確か8年程前にYoutubeで見つけた、何処かのカフェで演奏していた映像だった。なんの曲だったかも覚えていないけれど、彼らの演奏になんとも言葉に表せないパワーを感じたことだけは鮮明に覚えている。
懐かしさを感じさせるメロディーも、音の作りも、曲全体の雰囲気も暖かい。今回は、そんなポップバンドSuperfriendsの紹介。
京都初、3ピースバンド。元々は2005年に京大の軽音楽部で結成。
彼らが卒業してからは関東をメインに活動中みたいで、目立ったリリース情報や何かの記事に取り上げられているのを数年見ていないから、知らない人も多いかもしれない。
昨年末に京都のlivehouse mojoで久々にしたライブに行けなかったのがとりあえず残念無念。
…あまり情報もないから、早速聴いて頂くとしましょうか。
彼らの代表曲、Weezerよろしくパワーコードをブチかます「Because Of You」。ライブに行ったことはないけど、来ているファン全員が歌うこと間違いなしのキラーチューン。
彼らの音楽、常にそこには心地よい暖かさがある。それはきっとボーカル塩原の歌声だろう。
爽快なドラムに乗って奏でられるギターとドラムに合わせ、少し冴えない、でも確かに伝わってくる優しさに溢れた塩原の歌うメロディーは、そのキャッチーさで聴く誰しもの心を掴むこと間違いなし。
ナードマグネットやTOTOSなどパワーポップ系バンドとしてカテゴライズされている彼ら。
ただ、フォークのエッセンスが随所に散りばめられた彼らの音楽は、最早パワーポップの域を越えている。むしろコイツら本当に日本人かよって言うくらいの海外の雰囲気すら感じる。どこかと言われると分からんが、強いて言うなら北欧っぽさがある。
そう、書いてて気付いた。
彼らの音楽を聴いて思い浮かべる情景は、不思議と日本じゃないんだよな。特にテンポがスローな曲になればなるほど、その情景が強くなる。Smith&Barrowsの「Funny Looking Angels」というアルバムを聴いた時に思い浮かべた、行ったことも見たこともない凍ったテムズ川と、降り出した雪、ツンと突き刺す寒さ、そして暖炉の暖かさ。なんかそんな感覚に近いものがある。
大分勢いで書いてしまったが、何が言いたいかというと、彼らの真骨頂はスローテンポな曲群にある、ということ。もちろんパワーポップ的な曲も良いんだけど、ボーカル塩原の声が最も活かされるのは、ゆったりと優しく歌われる曲にこそある。
例えばこれ。
パワーポップ真っしぐらな 一作目の「Superfriends」から比べると比べると、フルアルバムの「3」なんてもうものすごい進化。もうね、メロディーセンスの洗練のされ方よ。
さて、そろそろ彼らに興味が湧いた方はひとアルバム聴きたくなった頃じゃないでしょうか。
ということで、最後にその一押しのアルバムを。
では。